茶文化と心の在り方

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【ブログ】茶文化と心の在り方​

あれこれと外の世界に文句を探すより、静かにお茶を飲もう。
人は心が静まってこそ安らぎ、安らいでこそ、定まるもの。
お茶を愛する人には、どこか静けさと優雅さが漂う。
一壺のお茶を丁寧に淹れる人は、大抵落ち着きがあり、細やかで、静かで、そして信念を持っている。
生活に対する姿勢は柔らかく、円満で、変化に動じず、すべてのことを整然と処理する。人生の波や困難すら、花が舞い落ちるように、水が流れるように、自然に受け入れていく。
外の雑音に惑わされず、簡単に自分の方向を見失うこともない。自分の本当の欲求を知っているからこそ、一歩一歩、自分のペースで着実に歩んでいく。
どんなお茶か、どの山の茶葉か、どんな淹れ方か――そんなこだわりを手放し、お茶そのものが与えてくれる口の中と身体への感覚に集中する。
他人の承認にこだわることなく、自分の考えを持ちつつも、違いを尊重し、多様な存在を受け入れる。
お茶は心で味わうもの。もっとシンプルに、もっと純粋に。
お茶の静けさは、茶そのものではなく、それを味わう人に宿る。お茶が口に入るその瞬間、心には広大な世界――名山大川、湖や海、花や鳥、虫や獣――が広がっていく。